血圧降下薬【Ca拮抗薬の位置付け】
今回は降圧治療の主流であるカルシウム拮抗薬について記載していきます。
- 降圧治療のファーストチョイスが多い
- L型T型N型3種へのCaチャネル抑制効果
- 血管拡張作用による浮腫の副作用あり
- グレープフルーツジュースで増強:フラノクマリン(半減期長い)が小腸CYP3A4阻害
- アムロジピン錠:L型
- アダラートCR錠(ニフェジピン):L型
- コニール錠(ベニジピン):L.T.N型
- ランデル錠(エホニジピン):L.T型
- アテレック錠(シルニジピン):L.N型
- カルブロック錠(アゼルニジピン):L.T型
- T型やN型について
- おまけ【狭心症治療薬】
アムロジピン錠:L型
・効果
降圧治療のファーストチョイスで使用されることが多い
1日1回投与の持続性で効果が確実
降圧不十分でもARBで併用や合剤でOK
・副作用
大きな副作用ないが、高用量10mgの継続で下肢浮腫や歯肉浮腫、頻脈などがたまにみうけられる
アダラートCR錠(ニフェジピン):L型
・効果
確かな降圧効果で即効性もある鋭い切れ味
20mgで収縮期血圧が10〜20程度さがる印象で強力(BP低い時、過降圧防ぐためコニール錠変更する医師も)
心血管合併例(冠攣縮性狭心症)によく使う
腎機能低下例にも使用しやすい
朝方服用すると翌朝方のVSA好発時期に抑えづらいという意見もあるため、寝る前に他薬コニール等を追加する例あり
基本1日1回で良いが、急激な血圧低下を防ぐためや早朝高血圧患者に対し良い反応性得るため朝、夜で2錠分2投与にしてる医師もあり
・副作用
血管拡張による頭痛や火照り感少ない
浮腫の頻度もアムロジピンより少ない
立ちくらみも少ない印象
コニール錠(ベニジピン):L.T.N型
・効果
降圧効果はマイルド、持続力あり
そのため高齢者や血圧低めの方の冠攣縮狭心症例のファーストチョイスとなりやすい
腎低下進行抑制や尿タンパク減少などの効果あり、腎機能低下例の高血圧者に使用しやすい(糸球体内圧低下、腎細動脈血流流す)
・副作用
効果マイルドな分副作用も少なめ
ランデル錠(エホニジピン):L.T型
降圧効果はマイルドでさほど強くない印象でアムロジピンよりやや弱い
その分副作用も少ない。(顔の火照り動悸等)
L.T型Caチャネル抑制効果あるが、実感なし
反射性頻脈が少ないのが売りのため他剤での頻脈患者から切り替えする場合もある
腎保護作用あり(糸球体内圧低下による蛋白尿抑制等)
最近は処方量減少している
アテレック錠(シルニジピン):L.N型
降圧効果は今ひとつで穏やか。アムロジピンやベニジピンより弱いイメージ
効果もマイルドな分副作用も少なめ
腎保護作用あり
→浮腫少ない。浮腫患者や腎障害の高血圧患者向き
カルブロック錠(アゼルニジピン):L.T型
降圧効果は緩徐でマイルド。アムロジピンより弱い
持続性ありで1日1回24時間効く。アムロジピンに次いで長いイメージ
反射性頻脈少ないので頻脈患者向き
アムロジピンで頻脈→カルブロックに変更等
腎保護作用(糸球体内圧低下による尿蛋白抑制等)
オルメサルタンとの合剤のレザルタスあり。
T型やN型について
ほとんどのCCBがL型Caチャネル抑制により輸入腎細動脈抑制で糸球体高血圧誘発する中で、T型 caチャネル抑制作用ももつランデルやカルブロック、N型caチャネル抑制作用ももつアテレック等は輸出細動脈にも作用するので腎保護作用があり、L型からこれらに切り替えることで下肢浮腫の改善も考慮できると考えられるのが特徴的ですね!
おまけ【狭心症治療薬】
ワソラン(ベラパミル):
頻脈性不整脈(上室性頻拍等)に使用する場合が多く第一選択としている医師も多い
レートコントール役
狭心症にメインで使用することはほぼない
血圧低下作用は少ない
陰性変力作用(心筋の収縮力を落とす作用)あるが程度は弱い
副作用も少ないが、もちろん徐脈に注意。
ヘルベッサー(ジルチアゼム):
冠攣縮抑制作用はコニールやアダラートに劣る印象だが冠攣縮性狭心症にはよく使われる
心拍数低下、レートコントール作用はワソランにやや劣るがそこそこある。
心収縮能はあまり下げない。
ヘルベッサーRの方が半減期長く分1使用でOK
降圧剤として使用することもあるため、軽めの降圧効果あり注意(ワソランよりBP下がる)
大きな副作用は少なめ
以上カルシウム拮抗薬でした!