【強さランキング】第二世代抗ヒスタミン薬10個"強さ"まとめ〜複数医師の評価をもとに勝手に強さランキングしてみた〜
花粉症の時期が近づくと、薬の強弱について聞かれる今日この頃です。そのため最近のアレルギー薬の強さを勝手にランキングしてみました。正直かなり個人差大きいため、あくまで参考程度に!
1位ザイザル
2位アレロック
3位ジルテック
4位ルパフィン
5位ビラノア
6位デザックス
7位タリオン 要指導で市販あり
8位アレジオン市販あり
9位クラリチン市販あり
10位アレグラ 市販あり
- 【1位】ザイザル錠(レボセチリジン):第2世代
- 【2位】アレロック錠(オロパタジン):第2世代
- 【3位】ジルテック(セチリジン):第2世代
- 【4位】ルパフィン錠(ルパタジン):第2世代
- 【5位】ビラノア錠:第2世代
- 【6位】デザレックス錠(デスロラタジン):第二世代
- 【7位】タリオン錠(べポタスチン):第2世代
- 【8位】アレジオン(エピナスチン):第2世代
- 【9位】クラリチン錠(ロラタジン):第2世代
- 【10位】アレグラ錠(フェキソフェナジン):第2世代
【1位】ザイザル錠(レボセチリジン):第2世代
即効性あり高い抗ヒスタミン作用示す優秀な薬
第二世代で即効性あり、強い抗アレルギー作用で非常に優秀。慢性蕁麻疹のファーストチョイスとして使用する医師も多い。
アレルギー性鼻炎に対しても効果発揮し、鼻閉症状にも効果あり。
小児はシロップ(先発イチゴ味)で1日2回服用可能で、錠剤は7歳から服薬でき、大人は1日1回使用で良い。ただし半減期7時間のため寝る前服用だと、翌日昼には効果薄くなる方もいる印象。
アレロックと甲乙つけがたいがやや、こちら方が強いという印象。どちらも幅広い年代に使用されている。
重症例には倍量投与可能のため、幅広く対応可能である。
副作用しばしばみられる
ジルテック(セチリジン)の光学異性体として副作用も少なくなっているが、それでも眠気はしばしばおきることがあるため運転不可の記載あり
【2位】アレロック錠(オロパタジン):第2世代
即効性あり抗ヒスタミン効果も強い
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、花粉症どのタイプで効果を発揮し、難治性の症状に対しても有用。そのため、アレグラ等他剤からの切り替えやファーストチョイスとして使用する医師も多い。
1日2回服用が必要
1日1回の薬の方がコンプライアンス良いため最近は処方減ってきているが、24時間に渡って効果を確実に出したい場合には1日2回の薬の方が良かったりするので、強めの薬の2回服用はデメリットというよりは、ケースバイケース。
副作用はよく見られる
眠気の副作用は出やすく、運転リスクの記載あり。眠気を出したくないならスキップするのもあり。
それでも第一世代抗アレルギー薬よりは副作用少なめ。
【3位】ジルテック(セチリジン):第2世代
効果はザイザルの下位互換
比較的強いが、光学異性体であるザイザルが発売され、副作用もザイザルより出やすく、効果もザイザルに及ばないことから、処方頻度は減ってきており、最近はみかけない。ザイザルのジェネリックも近年発売されていることも理由に挙げられる。
【4位】ルパフィン錠(ルパタジン):第2世代
効果は強い
抗ヒスタミン作用+抗PAF(血小板活性化因子)作用で、難治性の皮膚掻痒感に対し強力に効果発揮。
効果の実感度合い
ザイザル・アレロック〉ルパフィン〉デザレックス・ビラノア〉タリオン
ザイザルと同等以上をうたっているが、所感的にはザイザルの方がやや上の印象。
※PAF:炎症やアレルギー等様々な生理作用を起こす物質
ファーストチョイスよりは他剤にて効果が不十分である時の切り替えが多い
代謝物の一部がデスロラタジンでデザレックス錠と同様の効果を示す。
1日1回で良く食事の影響も受けにくい
副作用やや起きやすい
効果が強い反面、副作用の口渇や眠気もしばしばみられる。そのため、運転には注意が必要。
ザイザルで眠気がある人から切り替えると、眠気やや改善が見られる。
【5位】ビラノア錠:第2世代
確かな抗アレルギー効果
眠気がおきやすいお薬と同程度の効果が見込めるとして最近はよく処方される印象です
また効果は、マイルドからやや強めというイメージで比較的即効性もあると思います。
ただし、1日1回使用だが24時間は持たない印象(半減期は11時間)
眠気起きづらい
脳への移行性が少ない分眠気起きづらく、運転注意の記載がない5剤のうちの1つ。
高齢者や眠くなりやすい患者さんからは評判は良いです。
ただし、人によっては眠くなるので注意です。
空腹時服用が肝である
食事の影響を受けやすく、食後で血中濃度が半分程度に減少するなど、空腹時服用が必要なお薬です。
基本は寝る前服用が多いですが、食事を寝る前に摂る方や飲み会多い方は服用タイミングが難しいお薬です。ちなみにアルコール摂取との影響はほぼないです。
【6位】デザレックス錠(デスロラタジン):第二世代
デザレックス錠の効果としては中〜やや強めという印象。
後続でルパフィン錠が出ており効能的にそちらのほうが強く効くため、ルパフィンを選択する医師も多い。
成分的にクラリチンの主成分ロラタジンと似ておりクラリチンの進化系というイメージ。クラリチンより同等以上の効果を示す。
半減期も19.5時間と長く効くため1日1回で十分に効果を発揮し、即効性もあるとのこと。
食事の影響も受けにくいため、全体的に使いやすいお薬である。
副作用
運転注意の記載がない5剤の1つ。
効果がマイルドな分副作用の眠気も少なめな印象であるため、1回服用のこともありコンプライアンス良好である。
【7位】タリオン錠(べポタスチン):第2世代
第二世代の中でもマイルド〜やや強めの印象
効果突出しているわけではないがバランスが良く6.7割程度は改善が見込めるが重症アトピー性皮膚炎例には厳しいです。
即効性は比較的高い印象
根強いファンも多い。
食事の影響も受けにくい。
最近市販で発売されるようになり、要指導医薬品のため薬剤師からの販売ですが購入されていく方も増えてきました。市販のなかでは強さ的に1番良いかもしれません。
副作用は多少あるが少ない方
眠気やだるさ、口渇等は効果の割に比較的少なめ。他薬と大した違いはない。
先発OD錠はミント味
→好みは分かれるので確認が必要。
1日2回服用が必要
1回服用の薬がある中で、半減期が短く1日2回はややデメリットかと思います。
【8位】アレジオン(エピナスチン):第2世代
効果はマイルド
内服薬1日1回で良いが、効果はマイルドでまずまずな印象で、掻痒感に対してとくに有用なイメージ。
クラリチンと比較して同程度かやや強め。
タリオンよりは弱い。
抗ヒスタミン作用強弱
タリオン〉アレジオン〉クラリチン〉アレグラ(通常量)
目薬のアレジオンL Xは1日2回使用でアレルギー性結膜炎によく効き、なおかつ防腐剤入っていないためコンタクトレンズ装着者にも使用できることから使いやすい。ステロイド剤の併用も不要なケースも多い。そのためリピーターも多い印象。
副作用少なめ
内服薬の眠気は少なめだが、同程度のクラリチンと比較すると眠気起きやすいため運転
注意の記載あり。
そのため、クラリチンを選ぶ医師も多い。
目薬は目立った副作用なし。
【9位】クラリチン錠(ロラタジン):第2世代
効果はそこそこ弱めだが1日1回という利便性
アレグラ錠で効果不十分だが、眠気が少ないのがいいという人向けの印象です。
眠くなるアレロックほどの効果はないです。
即効性はそこまでなく緩やかに効き始めるためキレはあまりよくないです。
アレルギー性鼻炎や痒みに効きます。
1日1回で良いが、2回の薬の方が効いているイメージです。気持ち的なものかもしれないです。
妊婦さんへの投与例もあるようです。有益性投与のためどうしても必要の場合医師に相談して服用することも。
第2世代抗ヒスタミンで眠気も少ない
運転注意の記載がない5剤のうちの1つです。
1回使用で食事の影響も受けないこともあり忙しい会社員の方などにお勧めです。食事の後の方がやや効果的です。
ただし人によって眠くなる人もいます。
レディタブ錠(OD錠)の評判良い
口の中で溶けて唾液で飲み込むタイプが比較的よく好まれる印象です。味がいいのでしょうか
個人で服用したことはないです。
【10位】アレグラ錠(フェキソフェナジン):第2世代
信頼性が厚く第一選択となりやすい
全体的に患者認知度が高いためコンプライアンスも良く、安心して使えることから医師のファーストチョイスに選ばれることが多い。
眠気が少ない
運転注意の記載がない薬5剤の1つ
中枢移行性が低く眠気が起きにくい。
30mgなら、こどもが受験期を迎えている場合に使用しやすい
効果が弱い場合でも倍量投与することも
常用量では効果は弱く、中〜重症例には他剤変更が多い。また鼻閉型には厳しい。
しかし、海外にて常用量の4倍まで投与することがあるので、増量で鼻汁も良くなるので、倍量使用する医師もあり。2倍までは保険適応可。
1日2回服用必要
2回服用はデメリットだが、認知度高いためコンプライアンスはそこまで落ちない印象
【参考にする上での注意書き】
第二世代だが古い薬のザジテンやレミカットは効果強力ですが眠気も強くでており判定難しく、最近は処方量も減っているため、今回はランキングから除外しました。強さ的にはザイザルより上かもしれません。
さらに、効き目でいうと圧倒的1位のセレスタミン配合錠はステロイドを含む強力な薬ですが、第一世代抗ヒスタミン成分のマレイン酸クロルフェニラミン(単剤はポララミン錠)配合のため今回は除外しています。
またジルテックも、近年上位互換のザイザルのジェネリックが発売されているので、最近はほとんど見かけないというところなので含めようか迷いましたがとりあえず入れておきました。
※あくまでも個人の感想です。複数の意見を参考に個人的にランキングにしているため順番前後するかと思います、Tmax値等のエビデンスに基づくものではなく使用実感からの評価なのでご了承下さい。
またザイザル効果不十分症例でアレロックが著効する事例などあり、個人差も大きいため眠気発現やコンプライアンス、症状等患者様のケースに合わせてご使用ください。
作成した経緯と致しましては、薬の強弱をよく患者さんに問われる今日この頃、必要に駆られて作成致しました。新人の方の全体イメージの参考になればと思います。