血圧降下薬【ARB系薬評価位置付け】
今回は近年主流となりつつあるARB系降圧薬のアジルバ、ディオバン、オルメテック、ブロプレス、ミカルディス、ニューロタンについて、医師先生方の見解まとめてみました。
降圧効果実感度合い
アジルバ〉オルメテック〉ミカルディス〉ディオバン〉ブロプレス〉ニューロタン
全体的に有用だが横並びの印象
ACE阻害薬で咳が出る方への切り替えで使う場合も多い
- アジルバ錠(アジルサルタン):
- ブロプレス錠(カンデサルタン):
- ミカルディス錠(テルミサルタン):
- ディオバン錠(バルサルタン):
- オルメテック錠(オルメサルタン):
- ニューロタン錠(ロサルタン):
アジルバ錠(アジルサルタン):
・ARBの中でとくに降圧効果高い印象
・ジェネリック現在なく、薬価高め。合剤あり
・24時間持続するため、朝型まで効く
・副作用少なめ。腎血管保護作用あり
・20mgの使用実績多い
・第一選択より他薬で効果不十分時の切り替えが多い
ブロプレス錠(カンデサルタン):
・昔からある薬で使い慣れてる。合剤あり
・効果はマイルドやや弱めだが、他規格多く用量調整しやすいため、高齢者や心不全患者等へのファーストチョイスとして使いやすい
・腎保護作用あり
・副作用少なめ
・適応として慢性心不全予後改善見込める(不整脈予防、心肥大抑制等)ため血圧低めの方にも使用しやすいが、効果実感は薄い
ミカルディス錠(テルミサルタン):
・3規格あり調整しやすい。合剤あり
→低用量20mg、40mgとマイルドに使用し、不十分であれば80mgに増量していくと確かな降圧効果得られる。
・PPARγ活性作用あり(チアゾリジン系の3分の1程度)のため、インスリン抵抗性改善見込めるため糖尿病合併者に安心して使用できる、脂質代謝に好影響で抗動脈硬化効果見込めるが、効果実感は薄い。
・脂溶性高めで細胞移行性良い
・1日効果持続する
ディオバン錠(バルサルタン):
・可もなく不可もなくで使用頻度は下がっている。
・副作用少なめ
・40mgで半減期4時間と効果時間短めで1日2回で処方する先生も。
・慢性心不全に効果あり(保険適応なし)
オルメテック錠(オルメサルタン):
・他薬よりも降圧効果高い印象でよく使われる
・配合剤あり。 (レザルタス)
・副作用少なめ
・半減期10時間
ニューロタン錠(ロサルタン):
初期のARBのため、降圧効果はかなり弱いため、降圧治療よりも、もっぱら高齢者など血圧下がりすぎが懸念される方の臓器保護治療として使用されている。
・心不全の心負担軽減
・腎保護作用(糖尿病性腎症で100mg有用)
・尿酸低下作用
以上簡単なARB薬まとめでした。